加齢により心身が衰えた虚弱状態をフレイルと言います。フレイルのまま何も対策を打たなければ介護が必要になるまで状態が悪化してしまい、介護が必要になることも少なくありません。早期に気づいて改善を図ればフレイルから健康に戻ることも可能ですが、そもそもフレイルにならないことが一番。フレイル予防として、各自治体や病院や歯科などでさまざまな取り組みが行われています。
たとえば自治体では、ホームページやテレビ、動画配信サイトなどでフレイルの正しい知識や予防方法を発信しています。自宅で直ぐにできるオリジナル体操や栄養が取れる料理のレシピなど、ネットを利用することで手軽に知ることが可能です。もちろん、ネットに強くない人のために、スーパーマーケットなどでのチラシの配布やテレビ・ラジオでの発信、フレイル予防教室の開催なども行われています。フレイルの正しい知識を伝え、予防に取り組んでいるのです。
また、病院ではフレイル外来を開設しているところがあります。血管年齢や骨密度などを調べ、専門スタッフによる運動・栄養指導を実施。フレイルに早期に気付いて対策を打てるようにしています。
また、お口の健康はフレイルと関係が深く、全身的なフレイルの前段階としてまずは口腔機能が低下。こうした口腔機能の低下をオーラルフレイルと言い、具体的には滑舌が悪くなったり、むせるようになったり、口の中がよく乾いたりといった症状が見られます。オーラルフレイルの予防には歯周病・虫歯の治療や定期的な歯科検診が大切です。そのため歯科では、オーラルフレイルの認知拡大、高齢者向けの健診などを行っています。40代を過ぎたら、病気予防や美容だけでなく、フレイル予防を始めることで健康を維持できるでしょう。